のどの病気
症状から見る疾患・病気について
皆さんから聞く症状で僕が頭に浮かべる疾患の一例を紹介します。診察や検査をさせていただかないと詳しい事は何も言えませんが、参考程度にご覧ください。(病名をクリックするとその説明へジャンプします)
■ 主な疾患 |
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急性咽喉頭炎・胃食道逆流症・慢性咽喉頭炎・咽喉頭異常感症・急性扁桃炎・腫瘍 |
急性咽喉頭炎
のどの風邪
いわゆる“喉(のど)風邪”と呼ばれるもので、喉の粘膜の炎症症状が主症状です。その多くは内服・点滴や吸入療法で軽快していきます。
胃食道逆流症
胸やけは「胃食道逆流症」の危険信号
胃から胃酸(塩酸などを含む強い酸性液)が食道を逆流し、喉まで来ると、慢性的な咳・喉の違和感・痛み・声がれなどの症状が出ます。問診では、胸やけ・ゲップについて聞きます。胃で作られた胃酸は、普通食道に逆流をしないように食道の末端が締まっています。これが、緩んでくると、胃酸は食道や喉に逆流して様々な症状(声がれ、咳、喉のイガイガ感)をおこします。ストレスなく、暴飲・暴食を避け、胃酸を抑える薬の内服をお奨めします。
慢性咽喉頭炎・咽喉頭異常感症
口の中の乾燥には要注意
乾燥などにより喉の粘膜の慢性的な炎症がおこり、“喉のイガイガした感じ・違和感”や舌炎による“舌のピリピリした感じ”などもおこします。口の中の唾液の分泌は、年を重ねるごとに少なくなるのは、ご存じでしょうか?乾燥した鼓膜は常にごく軽い炎症を起こしやすく(慢性咽喉頭炎)、それは”喉の違和感”という症状を起こします。これを“咽喉頭異常感症”と言います。味覚異常などの症状を併発することもあります。口の中の保湿・保清が大切です。
急性扁桃炎
のどの奥の「のど風邪」
俗に“扁桃腺炎”と呼ばれる病気で、激しい喉の痛みと発熱などを特徴とします。食べ物が飲み込みにくい状態が続くと脱水状態となり、高熱が持続します。扁桃いう組織は免疫(異物への防御反応)に関係していると言われていて、腫れていると口蓋垂(こうがいすい:いわゆる“のどちんこ”)の両側に見えます。その表面からバイ菌などが入り込むと白血球がそれらと闘います。その闘いの果てに死んでいった白血球の集まったものが膿です。スポンジのような扁桃の中で、バイ菌と白血球の壮絶な死闘は火花を散らし、炎症となります。その結果、痛みや発熱があらわれるのです。粘膜表面の炎症に比べて、症状は高度になりがちと言えます。内服・点滴で治療します。
腫瘍
物が飲み込みにくいなどの症状は、
早めの受診を
“できもの”とも呼ばれる腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。物が飲み込みにくい、喉が腫れて何かが出来ているなどの症状があれば、一度耳鼻咽喉科受診されることをお奨めします。体の一部が腫れるということは、大きく分けて二つ考えられます。腫瘍か炎症による腫れです。炎症の場合は、腫れたり治ったりを繰り返す特徴がありますが、腫瘍の場合は腫れて大きくなる一方で小さくなることは基本的にありません。医師の診察を受け、CTなどの画像検査や血液検査などで鑑別する必要があると言えます。