鼻の病気
症状から見る疾患・病気について
皆さんから聞く症状で僕が頭に浮かべる疾患の一例を紹介します。診察や検査をさせていただかないと詳しい事は何も言えませんが、参考程度にご覧ください。(病名をクリックするとその説明へジャンプします)
■ 主な疾患 |
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アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)・血管運動性鼻炎・肥厚性鼻炎・急性鼻炎・慢性副鼻腔炎(鼻茸症を含む) |
アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)
その症状、アレルギー性鼻炎かも
ご存知のように、花粉やダニの表皮などの異物(アレルゲンといいます)が鼻の粘膜に付着することによりおきる“発作性のくしゃみ・鼻水・鼻づまり”のことです。アレルゲンに反応して、粘膜内にヒスタミンが分泌されることが原因です。治療法は、一般的には内服療法などですが、当院ではレーザー治療も施行しております。
レーザー治療について
麻酔液のついたガーゼを鼻の中に入れて、鼻の粘膜をしっかり麻酔してからレーザーで表面を焼灼しますのでほとんど痛みはありません。レーザー治療自体は5~10分で終わります。麻酔の時間などを含めると30~40分程度のお時間がかかります。効果は長い方で1年から1年半持続します。副作用は特にありませんが、治療後に少量の鼻出血(鼻水に血が混じる程度)が1~2日ある方がいらっしゃいます。また治療後の鼻内粘膜に痂皮(かさぶた)ができて一時的に鼻がつまる方もおられます。全て保険で行いますが、(3割負担の方で)両側で約9,000円です。
血管運動性鼻炎
自立神経のバランスを整えることが大切
鼻水が出て困るという患者さんの中には、血管運動性鼻炎という耳慣れない疾患の方もいらっしゃいます。これは、鼻の粘膜が寒暖差(温度差)や刺激物などによって刺激され、汗のようにサラサラした鼻水が出るという特徴を持ちます。鼻の中の粘膜はデリケートですから、刺激を受けると鼻水が出るようになっています。これは、病気というより正常な生理的反応と言えます。よって、薬で無理やりその鼻水を止めるのは難しくかつ非生理的と言えるでしょう。人間が暑い時にかく汗を薬で止めるのは、どう考えても無理がありますよね?考え方はそれとよく似ています。
肥厚性鼻炎
点鼻薬を使いすぎてはいませんか?
鼻の粘膜がふくれ上がってしまい、鼻づまりを起こします。軽度の場合は、内服治療によって軽快しますが、レーザー治療や手術治療が必要な場合もあります。アレルギー性鼻炎の結果、鼻の粘膜が肥厚(分厚くなる)してしまうこともあります。市販されている点鼻薬(鼻のさし薬)のなかには、血管を収縮させる成分が含まれているものがあり、それを使用すると鼻粘膜全体が収縮し、一時的に鼻どおりがよくなります。3~4時間するとリバウンド現象が起こり、鼻粘膜は膨れて一気に鼻づまりになり、もう一度点鼻したくなりますよね?これを繰り返すことによって鼻粘膜が肥厚してしまい、何度点鼻しても鼻は通りにくいままとなるのです。
急性鼻炎
風邪ウイルスによる「鼻風邪」
いわゆる“鼻風邪”と呼ばれるもので、鼻の粘膜の炎症症状が主症状です。その多くは内服・点滴や吸入療法で軽快していきます。
慢性副鼻腔炎(鼻茸症を含む)
睡眠の質や集中力低下の原因に
いわゆる“蓄膿(ちくのう)”とよばれるもので、ドロドロした鼻水・鼻づまり・鼻の周囲の重い感じや痛みなどが症状です。まず副鼻腔と呼ばれる空間をご存知でしょうか?鼻の周囲の骨で囲まれた空間で、具体的には頬や眉間や額のあたりになります。その部分に膿(うみ)が溜まることによっておこる病気と言えます。副鼻腔は血流の悪い場所で、やや特殊な内服薬をコツコツ長期に服用することが治療のポイントです。病状によっては、手術治療が必要となります。